危険な国産のキャットフードについて
こちらのホーム・ページ(キャットフード安全)を立ち上げて2年になるのですが、衰える感の無い「猫ブーム」(昨年ついに、猫の飼育数が犬の飼育数を上回る!!) 猫の場合は見た目の可愛らしさに加え「室内飼いOK・毎日の散歩も無し」・・・・など、犬と比較しても飼主さんの負担が少ない事も人気の要因でしょう。
しかし一方では、”愛猫の食事や健康管理に充分な配慮をしない飼い主も存在する”・・・という現実があります。忘れないでください、ペットもあなたの大切な家族の一員です。
目次
国産キャットフードの持つ”危険性”とは
最近週刊誌に掲載され(「愛猫」「愛犬」が食べてはいけない「ペットフード」) 話題になりましたが、国産のキャットフードの中には、猫の身体に ”悪い影響を及ぼすもの“ が存在します。この件に関しては、これまでも幾つかのコンテンツで取上げていたのですが、せっかくの機会です。今回は「危険な国産キャットフード」について特集します。
デフレも影響しているのか、最近では”非常に低価格のペットフード” が市場に出回っています。もちろん全て悪いという訳ではありません。ただ、フードの販売価格を安くする為に原料を安価なものに抑えているフードが多く存在します。また、これに関しては国産のフードだけではなく、海外から輸入しているペットフードにも同じ事が言えます。果たして何処に問題点があり、何が危険なのか・・・?
穀物類が多く含まれるキャットフードには要注意!!
スーパーやホーム・センターなどで、量が多い割に非常に低価格のキャットフードが販売されています。特にディスカウント・ショップやホームセンターでは、ペットフードのコーナーにかなりのスペースを割き品数や種類も豊富です。この光景を前に「プライベート・ブランドである為に安いのだろう・・・」と考える方もいる事でしょう。
スーパーなどでは自社のオリジナル商品としてフードの「開発・製造」を行います。余分な広告費を掛けず、店内だけで販売する為に”ロープライスを可能にする事”は理解出来ます。しかし、中にはそれ以外の方法で ”ペットフードを低価格” に抑えているものも存在します。
代表的なものに「穀物類を多く混ぜる事で全体量を”かさ増し”している」があります。
高級キャットフードと低価格キャットフードの違いとは?
本来、キャットフードの原料は「肉・魚・野菜」を混合して作ります。しかしそれだけでは十分な量が確保出来ず、また原価が高くなる為に販売価格もそれだけ "高額になる傾向" があります。その対策として「小麦・トウモロコシ・大豆」などを多く混ぜて量を増しています。肉や魚と比較しても穀物類の原料費はずっと安い為に、原価を抑える事も可能です。しかし・・・・
猫は本来が肉食動物のため ”穀物類を食べる事には弊害” があります
猫の胃腸では穀物類などの食材は消化しずらいのです。因みに犬も同様です。肉食動物の胃腸は肉類を消化する機能は高いのですが、穀物類の消化には適していません。その為に「穀物類が原材料のキャットフード」を猫が食べ続けると、消化不良を起こしやすくなります。また、これは「アレルギーや肥満」の原因にもなります。
穀物類は、少量を適度に食べれば腸内の活性化を図り、体内の老廃物を排泄する働きも期待できます。しかし猫や犬に多くの量を食べさせると、先に書いた様に「消化不良やアレルギーの原因」となり健康上良くありません。
(※ この穀物類に関しては ”キャットフードに含まれている穀物類について、さらに詳しく解説しておりますのでご参照下さい)
粗悪な原料を使用しているキャットフード
ショッキングな話になりますが・・・・特にフードの原料として使用している肉類などでは、とても人間が食べられない様な部位を使用したり、“病気で死んだ動物の肉や、死後の処理が不十分である為に腐敗が進んだ肉” など、通称「4Dミート」を原料にしている事があります。
※飼主さんは、先ず原材料名に「ミール」と言う表記がないかを確認してください。
「ミール」とは、人間が食べる事の出来ない部位の事を指します。例えば原材料名に「チキンミール」という表記があればそれは鶏肉の中で、とても人が食べる事の出来ない様な部分を ”キャットフードの原料として使用している” という事です。また4Dミートですが、病死した動物を解体処理せず「毛・ヒズメ・内臓・骨」まで、丸ごとミンチにした肉を使用している事もあります。
その他には「パウダー・副産物・肉粉」などの表記にも要注意です!!それらの表記があるキャットフードは、人間が食べる事の出来ない様な肉を”キャットフード用として原料”にしています。原材料名に「パウダー・副産物・肉粉」の表記があるキャットフードは避けた方が良いでしょう。
合成保存料と着色料が含まれているキャットフード
また、合成保存料が含まれているキャットフードにも要注意です。保存料が含まれている事自体は決して悪い事ではありません。キャットフードの品質を保つためにも必要なものです。ただし・・・
化学合成の保存料が多く含まれているキャットフードには避けるべきです
例えば、「BHA・BHT・エトキシキン」などは “発癌性が高いもの” と言われています。飼い猫の身体には有害で、その様な保存料が使用されているキャットフードはお勧め出来ません。
問題がないとされる保存料は、「ミックストコフェロール・ローズマリー抽出物・緑茶抽出物」など、自然由来の保存料です。
フードの色合いを美しく見せる為に、着色料を使用しているキャットフードがあります。しかし、どれほど美しく着色されていても猫には何の意味もない事です(猫は食べ物を色ではなく、匂いで識別します) 着色料は、キャットフードを購入する飼主にアピールするだけのものであり、肝心の猫にとっては害を及ぼす以外の何物でもありません。
出来れば着色料が使用されているキャットフードは避けてください
キャットフードを選ぶ際のポイント
市販されているキャットフードについて書いてきましたが、あまりにも安価な国産のキャットフードには様々な問題点があります。キャットフードを購入する際は、必ず裏面に記載されている原材料名をチェックしてください。ただ、現実問題として低価格の「肉や魚だけで作られたキャットフード」もなかなかありません。あっても、いわゆる高級品とされている部類です(※因みに、こちらのホーム・ページで紹介してある”カナガンキャットフード”は高額ですが愛猫家の方からは高評価を受けています)
少量ならば穀物類が含まれていても、飼い猫が食べ過ぎなければそこまで心配はいりません。しかし、余りにも穀物類の含有量が多いフードは控えた方がいいでしょう。
袋の裏面に記載されている原材料は、多く使用されている順に書かれています。穀物類がトップに記載されているキャットフードには要注意です!!
キャットフードをご購入する際に確認するポイントをまとめておきます
●原材料名のトップに穀物類が表示されていない事
●原材料名に「ミール」「パウダー」「副産物」「肉粉」の表記がない事
●合成保存料が含まれていない事。特に「BHA」「BHT」「エトキシキン」は厳禁!!
●着色料が含まれていない事
・・・・キャットフードを購入する際はこの四点について確認してください。
粗悪なキャットフードは猫の身体と健康に悪影響
長期間、低品質のキャットフードを食べさせると「猫の身体に様々な悪影響」が出てきます。
1 アレルギーを起こす
アレルギーを発症する事があります。猫が頻繁に下痢をしたり、食べた物を吐いたり、皮膚に被れが起こるなどの症状が出た場合は、アレルギーを疑う必要があります。特にキャットフードの原料として「小麦・とうもろこし・ポークミール」が含まれているキャットフードは、猫がアレルギーを起こしやすいと言われています。
2 口臭が酷くなる
健康な猫は口臭を発する事はありません。仮に猫の顔に鼻を近付けても、ほとんど ”におわない” のが通常です。飼い猫に口臭が起るのは、キャットフードに問題がある可能性があります。歯磨きをしても匂いが消えない様な場合は、キャットフードを別の種類に変えてみる必要があります。
3 成長期に十分な栄養がとれない
子猫の時期の栄養状態で「筋肉量・骨格の構成・内臓の成長」が決ります。穀物類が主原料のキャットフードを与え続けると、栄養のバランスが悪く猫の成長にとって大きな妨げにもなります。生後一ヶ月から一年未満の時期には、出来るだけ ”バランスの取れた栄養価の高いキャットフード” を与えましょう。パッケージに「子猫用」あるいは「生後8か月まで」などと表記があるキャットフードは、子猫向けの栄養バランスの取れたフードです。
4 病気がちになる
穀物類が主原料のキャットフードを食べ続ける事で、猫の消化不良が慢性化し胃腸障害を起こす場合があります。また、上に書いてある様にアレルギーを原因とする病気に掛りやすくなりますし、免疫力の低下も招きます。特に注意して頂きたいのが「合成保存料や着色料」の取り過ぎが原因となり、重病(癌などの)になる可能性も高くなる事です。
正しい食生活で猫は長生きする
近年は飼い猫の寿命が伸びてきており、20歳を超えるご長寿猫も珍しくありません(現在、室内飼いの猫の平均寿命は16歳程と言われています)少し前までは、飼い猫の平均寿命は10歳程度と言われていましたので、確実に長寿化が進んでいると見て間違いないでしょう。長寿の要因としては、飼い猫の住環境や食生活の充実、動物医療の進化などが考えられますが・・・・
特に日常的な食生活の充実は、猫の寿命を大きく伸ばす事に貢献していると思われます
筆者が子供の頃などは”飼い猫の食事」”といえば・・・・人間の食事の残り物や、ご飯に味噌汁やかつお節などをかけた「猫マンマ」を食べさせる事が普通にありました。そう穀物を主食としていた訳です (-_-;) また、人間の食事の味付けは猫にとっては濃過ぎる面があり、猫の身体には好ましくありません。人間の食ベ物を猫に与えると「塩分過多・脂肪分過多」になり、猫の内臓への大きな負担となります。これは結果的に飼い猫の寿命を縮めてしまう事になります。
さすがに現在では、飼い猫に「猫マンマ」を与えている飼主さんは少ないと思いますが、その「食生活の変化」こそが「飼い猫の長寿化」に貢献しています。それ以外の要因としては、室内飼いの猫が増え外で他の猫や犬などと喧嘩したり、病原菌に感染するなどのリスクも減少している事が挙げられます。
生活環境と食生活の変化が猫の寿命を伸ばす
野良猫の寿命は、大体2年から5年と言われています。野良猫の場合は“食事の確保が困難”であり、充分な栄養を摂取出来ません。他の猫との縄張り争いや、犬などとのケンカによる怪我のリスクも常に存在します。行き交う車、人間に対しても敵愾心を持つ野良猫が多いので安心して睡眠を取る事が出来ません。それらは全て、野良猫にとって大きなストレスとなります。また屋外の生活の為に、病原菌の感染や気温の変化の影響を受けやすいなど、過酷な環境が野良猫の寿命を短くします。同じ猫でも、生活環境によりその寿命は何倍も差が付いてしまうという現実 があります。
飼い猫に対しては時が経つに連れ愛情が深くなり、人との絆が強くなります(気が付けば猫の居ない生活が考えられなくなった・・・という方も多いです)少しでも長生きしてもらう為にも、飼い猫の食生活がより健康的なものとなる様に気を付けましょう。