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猫の病気について(前編)|キャットフード安全

こんにちは。今回の「キャットフード安全」では「猫の病気とその疾病対策」について書きます。猫も人間同様に寿命もあれば病気もします。普段は元気な我が家の猫も、ひょっとしたら何か持病を持っているかも知れません。今回は猫の病気とその「予防や対策」について、筆者の経験なども交えながらご説明します。

 

飼い猫の病気のサインを見逃すな!!

 

猫の健康面で注意して欲しいのが「食欲の変化」です。それまではかなりの「食いしん坊」であった我が家の猫が、急に「食が進まなくなった」「食べ物を残す様になった」場合は気を付けて下さい。病気もしくは体に異変が起きている可能性があります。以前「キジトラの雄ネコ」を飼っていた頃の事ですが・・・ 一歳位になると頻繁に「怪我」をして帰って来る様になりました。恐らくはメス猫を巡ってのトラブルや、野良猫との喧嘩もあったのでしょう。注意して欲しいのは、引っ掻かれた傷がそのまま “炎症に発展” するケースです。この“炎症”の悪化は「食欲の低下」を招きます。飼い猫が怪我をした場合は軽く考えずに、動物病院で診察してもらう様にしてください。

 

放し飼いの猫・・・飼主が注意すべき点について

 

 

猫の病気では「感染症」にも要注意です。猫を放し飼いの場合は”野良猫との接触”もありますし、様々な局面で病気を貰う可能性があります。また、猫から人間に感染する病気もありますので(インフルエンザなど)、家庭内の衛生状態にも気を付けてください。テレビや動画サイトなどで「飼主と猫がキスをしている」映像を観た事がありますが、絶対に真似しないで下さい !! 人間と猫・・・お互い相手に対して「病気を移す」可能性があるからです。

 

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猫が怪我や病気をしても、なかなか“気付きにくいケース”があります。食欲の変化などはある意味解りやすいケースですが、それ以外では

 

”飼い猫が急に体に触れられるのを嫌がる”

”飼い猫を撫でようとすると逃げる”

 

・・・・この二つのケースでも、何かしら体調に異変が起きている可能性がありますので、注意してください。因みに猫の性質として「病気や怪我」をした場合

 

”こんな自分の姿を見られたくない・・・”

 

という心理が働き、人間の目から逃れようとする事があります。ケンカが原因でシッポに怪我を負ったオス猫などは、尻尾を巻きつけて怪我を隠す事があります。また鼻を引っ掻かれた場合などは、その傷が原因で「鼻に炎症」を起こす事もあります(しかも治りにくい) もちろん、これ以外にも様々なケースがありますが、「猫の食欲の低下」は病気以外にも怪我が原因で起こる事は覚えておいてください。

 

 


 

猫の病気 初期の段階の症状とその対策

 

ここからは猫の病気に於ける 初期の段階の症状をまとめてあります。当然ですが、病気が重篤化する前に発見する事が重要です!! また「猫の仕草や態度」からも病気を発見出来ますので、注意して観察する様にしてください。猫の病気に関する「豆知識」として利用してください。

 

 

 

① 部分的に 猫の毛が薄く なっている・・・・ストレスが原因の脱毛もありますが「皮膚炎・口内炎・内臓疾患」を起こしている可能性もあります。

 

② 猫が体に触れるのを嫌がる・・・・猫自身が怪我をしているか、その箇所に痛みがあると考えられます。

 

③ 背中の皮膚・・・・猫の背中の皮膚をつまんでみて、なかなか皮膚が戻らない場合は「水分不足」で脱水症状を起こしている場合があります。

 

④ 猫のお腹と足・・・ここの部分は「しこり腫れ」がないか、チェックしてください。もしあった場合は、リンパ節が炎症を起こしているか、内臓が腫れているケースがあります。また、骨折や関節炎あるいは ”異物を飲み込んでいる”(誤飲)亊もあります。

 

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⑤ 猫の目の病気として、猫がまぶしそうにしている時は、角膜炎や結膜炎、緑内障の可能性があります。

 

⑥ 目から黄色や緑色の目ヤニが出ている・・・・角膜炎や結膜炎など、目のどこかに炎症を起こしている可能性があります。目ヤニだと思って軽く考えるのは禁物です!!

 

⑦ 猫の毛の感触が普段と違う・・・・猫の毛の艶がなく"カサカサ"になっていたり、毛が束になっていたりした場合は体調不良の疑いがあります。

 

⑧ 耳・・・・猫の耳の三角形の部分(耳介と言います) この部分の皮膚の色の確認をしましょう。猫が貧血気味の時には、"皮膚が白く"なっています。また"皮膚が黄色く"なっている場合は「肝臓に異常」が生じている亊がありますので注意して下さい。

 

⑨ 顎(あご)・・・・ニキビが出来ていないか確認してください(栄養不足や体調不良を起こしている場合が多い) また顎に「しこり」が出来ていないか確かめてください。もし「しこり」があった場合はリンパ腫の可能性があります。またリンパ節の炎症や耳や歯茎が炎症を起こしている場合もあります。

 

 

 

最近は「ペットOK」の物件も増えており、猫の飼い方も「室内飼い」が主流になってきています。通説ですと「室内飼い」の場合は猫の生存期間が10年から15年と言われています。病気の予防として大切なのは

 

日々の健康管理・バランスの取れた食生活・そして適度な運動

 

・・・この三点が病気を予防し健康を維持する為の重要な要素です。

 

猫田先生
飼主さんは、普段から”猫ちゃんの様子”を小まめに観察してあげてくださいね 
タマちゃん
猫をなでたり、さわったりする時も、注意が必要ニャンだね
猫田先生
特に放し飼いの猫ちゃんは「怪我炎症」を起す事が多いので注意が必要です! 
タマちゃん
機嫌が悪そうな時や元気がない時も、ひょっとしたら「病気怪我」の可能性もあるという事を覚えておいて欲しいニャ

 

 


長毛種の猫は要注意!! 猫に多い毛球症とは?

 

ここからは、猫に多い病気の一つ「毛球症」を患った猫のケースをご紹介します。雑種ですが他の猫と比較すると被毛がとても長い、長毛種のオス猫の話です。一歳を過ぎた辺りから「抜け毛が極端に増え」、猫自身も気になっていたのか ”頻繁に毛繕いをしていた”・・・との事。実際かなりのボリュームだったらしく、特に冬場などは少し遊んだだけで部屋に毛が舞うほどだったそうです。

 

 

因みにこの飼主さん・・・「猫を飼うのは初めて」。 仕事が忙しかった事もあり ブラッシングも毎日は出来ず、時々気になった時にブラッシングする程度でした。しかし・・・ほどなくして猫に変化が生じます。

 

急激な食欲の低下と猫の変化

 

もともと”食の細い猫”だったそうですが、ある日を境に食欲が急激に落ち元気もない様子・・・ 心配になり調べてみると「猫の食欲不振」には様々な原因があり、生後半年位の子猫では12時間、一歳を超えた成猫では24時間以上絶食状態が続いた場合は、何らかの 病気障害を抱えている可能性があるとの事でした。心配になった飼主さん、飼い猫を動物病院に連れて行く事にしました。

 

 

動物病院では軽い触診と点滴をしてもらい帰宅。しばらく様子を見て、それでも食欲が戻らない場合は再度病院に連れてくる様に告げらます。しかし、次の日も一向に食事を取らないどころか「水も飲まない・ ”大好きな液状のオヤツに見向きもしなくなった ”」時点で、これはおかしいと思い再度動物病院へ連れて行く事に。点滴を受けたとはいえ、既に24時間何も食べていない状態だったのです。何かの病気だと確信しました!!

 


 

戻らない体力と食欲・・・遂に原因が判明する

 

検査の結果「猫の腸の辺りに何か詰まっている」事が判明。レントゲンの写真には、何か“黒いモノ”が写されていました。獣医師から「誤飲などの心当たりはないか」と尋ねられたそうですが、きれい好きの飼主さん。常日頃から飼い猫がオモチャなどを間違って飲み込まない様に、部屋はきちんと片づけていたそうです。心当りがあると言えば・・・・

 

”毛繕いが多い事”

 

”ブラッシングを定期的に出来ていなかった事”

 

この二点を獣医師に伝えました。そして診断の結果・・・飼い猫の腸に毛玉が詰まっている事が解りました。

 

 

病名は「毛球症」です。この毛球症は、ブラッシング不足やストレスが原因で猫のグルーミングの回数が増え、飲み込む毛の量が増える事によって発症する病気です。猫は非常に繊細かつ神経質な動物で、例えばトイレや寝床が汚れているなど 「ちょっとした事にも強いストレス」 を感じる生き物です。この日は入院させて毛球除去剤を飲ませ、自然に便として毛が排出されるのを待つ事にしました。

 

 

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獣医師からの宣告 そして飼主は決断する

 

しかし、半日経過しても状況は好転せず栄養不足にある猫の体力を危惧した獣医師から手術の提案がなされました。

 

 

たかが毛玉!!楽観的に考えていた飼主さんは驚きました。手術なんて・・・・と悩みはしたものの、愛猫の衰弱振りの前に迷っている暇はありません。「一刻も早く元の元気な状態に戻してあげたい」一心で、手術する事をお願いしたそうです。

 

 

毛球症の手術は「全身麻酔をし胃や腸を切る開腹手術」なので、体力的にも負担となります。傷口も大きく縫うので術後のケアも必要ですし、もちろん費用だって掛ります。しかし他に選択肢はありませんでした。

 

そして 手術は成功!! 猫の腸から毛のかたまりが除去されました。縄状の毛が絡まった状態で、人間の中指ほどの大きさだったそうです。この”毛の塊り”がお腹を圧迫して胃や腸の働きを低下させ、食欲をなくす原因となっていた訳です。 今回は飼主さんが異変に早く気付き、レントゲンにも異物が写っていたのが幸いでした。場合によってはレントゲンに”毛のかたまり”が写らず 、病気の”原因が解らない” というケースもあるそうです。


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ブラッシングは重要です! 日々のケアこそ最大の疾病対策

 

 

治療費は「入院費手術費薬代」も含め7万円ほど。ペット保険に加入していたので、ほぼ保険で賄えたそうです。その後、愛猫は順調に回復して食欲も戻り、ほどなくしていつも通りの生活に。先生によれば、長毛種の猫は毛球症対策として1日1回はブラッシングが必要との事でした。「猫の無駄毛・抜け毛」を取り除いてあげる事が、毛球症予防に非常に効果的なのです。

 

 

少し撫でるだけでも ”毛がフワフワと抜けていた” そうので、グルーミングの際に「相当な量の体毛を飲み込んでしまった」・・・と考えられます。また、猫の抜け毛が増える換毛期などはシャワーをしてもよい位で、夏場などはペットショップに連れて行きトリミングしてもらうのも効果的です。トリミングは無駄毛の飲み込みを防止するだけでなく、熱中症予防にも繋がるなどメリットが多いのです。

 

 

最近では毛球症予防にもなる「ヘアボールケア用のキャットフード」がありますし、飲み込んだ毛を体外に排出しやすくする ”猫草” も入手できます。猫草とはイネ科の植物の総称です。これを食べる事により胃を刺激し、飲み込んでしまった毛を排出させる働きがあります。因みに、この長毛種の猫くんは好んで食べてくれたとの事。先生のアドバイス通り最低一日一回はブラッシングを行い、猫草も設置!!餌もヘアボールケア用のキャットフードにしました。それからは毛玉が腸内につまる事もなく、元気に過ごしているそうです。

 

 

猫とのコミュニケーションから病気の早期発見にも ブラッシングによる思わぬ効果

 

猫にブラッシングをする事は大切です。飼い猫とのコミュニケーションにもなりますし、病気の早期発見にも繋がります。被毛や皮膚の状態確認、「しこり炎症」の有無も確認できます。ブラッシングが苦手な猫には、飼い猫が眠そうにしている時や、ボーっとしている時を狙ってブラッシングを行えば問題ありません。ブラッシングに慣れていない猫は、頭や首回りからブラッシングすると良いでしょう。

 

 

短毛種長毛種の猫では使用するブラシも違います。長毛種の場合は絡まった毛がないかどうかを確認する為、目の粗いブラシからはじめてください。その後は、短毛種と同じ様にブラッシングします。毛の生えている方向に沿って溶かすのがポイントです。病気をせず愛猫が長生き出来る為には、猫の身体についてよく調べきちんとケアしていく事が大切です。

 猫の病気について(後編)に続きます

 

猫田先生
毛球症は猫に多い病気の一つ!! 特に ”長毛種の猫ちゃん” には注意が必要です
タマちゃん
毛繕い”が原因で起こるケースが多いんだね
猫田先生
毛球症に対応したキャットフードや猫草もありますが、加えて飼主さんは日々のブラッシングを怠らないで下さいね
タマちゃん
シャワートリミングも毛球症予防に繋がるんだね。色んな対策があるんだニャ
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