猫を飼うにはその特徴と習性を理解しよう(パート3)
こんにちは!!前回「猫を飼うにはその特徴と習性を理解しよう パート2」からの続きです。猫は人を癒してくれる、本当に大切な存在です。猫を飼うメリットも沢山あります。しかし、実際に育てるには養育費や事前準備、トイレ掃除などの日々のお世話も必要です。今回の「キャットフード安全」では、「猫と快適に生活する」ためにかかる費用と ”事前に準備しておくべき事柄” について取上げます。
目次
飼い猫の養育費と準備しておくべき物
猫を飼う場合には、先ず ”初期費用”。そして育ててゆく為の ”養育費” が掛ります。養育費としてはエサ代、予防接種の費用、トイレに使用する猫砂・・・・猫の爪とぎ専用の板などもありますし、だいたい”月に1万~3万円”の費用は掛ります(※もちろん飼主さんの工夫次第で大いに節約する事も可能です)病院で検査や診察を受けさせる際の医療費。それに毎月の固定費として「キャットフード・猫砂」は必需品ですから、これだけでも3千~8千円は見込まれます。
そして大変なのが・・・排泄物!! 猫を飼ってみて、初めて猫のウンチの「匂いがきつい事」を知ったという方は多いです。覚悟はしていたものの、それを遥かに超えていた・・・という現実!!対策として「トイレ・ケージ・カーペット」などに染みこんだ”匂い”には、消臭剤が効果的です。猫は“きれい好きな動物”で、汚いトイレにはストレスを感じる生き物です。清潔さを保つ為にも毎日トイレ掃除をしてください。
猫の爪とぎやゴミ漁りに排泄物の処理について
残念ながら・・・猫には“イタズラ好き”な一面もあります。壁紙や障子を引っかいて破いたり、ゴミ箱を漁ってばら撒いたりなど・・・・・片付ければ済む話とはいえ、これが毎日続くとなると大変です。ただ、悪戯に関しては 猫が年を取るに連れ徐々に収まっていく傾向があります。また、高価な物は猫の手の届かない場所に隠しておいてください。そして猫の爪研ぎですが、猫を叱ったところで収まる事はありません。絶対に猫に手を上げる様な事はしないでください。
「経済的負担・排泄物の処理・イタズラに備えての対策・誤飲を防ぐ為の整理整頓」・・・はじめて猫をお飼いになる場合は正直「かなりの覚悟」が必要です。事前に”準備や対処法”を考えておきましょう。
少し困った事例としては・・・
◆ 猫は早起きなので、毎朝かなり早い時間帯に起こされる事が頻繁にある
◆ 猫が甘えてきても、あまり撫で過ぎると逆に猫が怒ってしまう
◆ 掃除しても掃除しても、猫の枝毛が絶えまなく床や畳に落ちている
◆ 知らない内に猫が足元にいて、尻尾を踏んでしまう
◆ 放し飼いの場合は、「虫や鳥などの死骸」を家の中まで運んでくる・・・
・・・・もう、本当に本気で 猫好きの方ではないと耐えられない様なケース もあるという事は理解しておいてください。
子猫と成猫・・・性癖や行動について
一般的に「成猫より子猫を希望する人が多い」傾向がある様ですが・・・・猫の寿命は長寿の場合は20年以上、そして子猫と言われる時期は、大体一年程とされています。当然「子猫の時期」よりも「成猫の時期」の方が、長い付き合いとなりますよね。また個体差もありますが、猫の性格はほぼ1~2歳で決ります。
子猫の時期には注意すべき病気 も多く予防接種も必要です。対して成猫は免疫力が強く丈夫です。もちろん健康管理は必要ですが、子猫と比較しても医療費が少なく済みます。健康面で不安定であり、ヤンチャな子猫を一匹だけで家に留守番させるのは危険です。子猫特有の ”好奇心旺盛な性格や行動” が何かとトラブルに発展するケースも少なくないのです。
好奇心旺盛 時にトラブルメーカーの子猫 安定かつ保守的な成猫
猫という動物は単独行動を好みます。成猫の場合は「エサ・飲み水」の供給が出来るのであれば、2日程度の留守番は可能です。また、成猫の場合はトイレの場所さえ覚えさせれば、そこで排泄してくれます。子猫もトイレを覚えてはくれるのですが、子猫故の勘違いや習慣の違いで”粗相をする事”も少なくありません。子猫の時期は、飼主さんも何かと注意が必要です。
猫の習性と発情期について
子猫は好奇心旺盛で、時には”明け方から夕方まで部屋の中を走り回る”事もあります。歯の生え変りの時期には、色々な物に噛みつきますし、初めて目にする物にチョッカイを出す事も多いです。ただし、これに関しては成長するにつれ徐々に変化し警戒する様になります。ネオフォビアと言うのですが・・・・基本的に猫は保守的な生き物で、初めて目にする物には “拒否反応” を示す事が多いです。
最近は、猫の飼い方とし “室内飼い”が推奨されています。しかし野良猫や放し飼いで育った猫を飼い猫として迎え入れた場合は、室内での生活がストレスになる事もあります。わずかな隙間から「飼い猫が脱走する」ケースがありますので対策が必要です。特にオス猫は発情期になると、相手を求めて外に出たがる亊があります。オス猫の去勢手術の目的ですが、妊娠予防以外に「発情期の問題行動・生殖器などの病気予防」の目的があります。とはいえ一度発情期を迎えた猫の場合は、その後去勢手術を受けさせても問題行動が収まらない事もあります。注意してください。
成猫を飼うデメリットととして、「懐かない」からと指摘する人もいます。しかし、もともと猫は「過度の干渉や集団行動が苦手」な生き物です。飼主さんと猫の間でもほどよく距離感がある関係が理想と言えます。あまり飼い主に甘えてこなくても、それは成猫だから甘えないのではなく「猫は元々がそういう性格」である場合が多いのです。
災害時からトイレまで・・・ケージの積極的な活用
子猫の時期には様々な種類のケージ(猫専用のカゴ)を用意して、子猫にケージの中に入って貰う様にしてください。そこで、様々なタイプのケージでメリハリを付けて”子猫にストレスを感じさせない様にする事が重要”です。災害・・・特に地震などは、何時来るのか予測が付きませんよね!?普段から寝る場所をケージにしておくと、猫が自ら「安心出来る場所のケージ」に飛び込んでくる事があります。イザという時には飼い猫が速やかにケージに避難してくれるので安心です。
生後間もない子猫は、なかなか「トイレを覚えてくれない」亊があります。対策としては、トイレをケージの中に作って覚えさせる事も可能です。また、飼主さんが不在時に子猫が何かの拍子で怪我をしてしまう事もあります。対処法として、飼主さん不在時には「ケージで子猫を過ごさせる」のも一つの方法です。
猫のケージはこんなに便利 積極的に利用しましょう
猫は自分のテリトリーから出るのを嫌う動物です。時々、好奇心で外に出て行方不明となった猫が案外家の近くで発見されたり、直ぐ家に戻って来るのはその為です。猫にとって「見知らぬ世界」というのはそれだけでストレスになるのです。普段ケージで過ごす体験をさせていれば、外に猫を連れて行かねばならない時でも、移動の際のケージを嫌がらなくなる ・・・・という利点があります。
また、出来れば狭いケージは避けてください。猫は上下運動が好きな動物ですので、トイレは1階ご飯は2階などの、高さのある広いケージの方が良いでしょう。普段から、キャット・ツリーや玩具が沢山ある大きなケージを用意して1日数時間ほど遊ばせてください。ケージにも慣れてきますし、猫のストレス解消にもなります。
猫に関する諸々の話 ストレスと病気
「便の状況」には注意してください。飼い猫の重要な体調管理の指標になります。体調が良い時はコロっとした便が出て、体調が良くない時は“ ゆるい便” が出ます。また、「放し飼いの猫」の場合は体調管理が難しくなる側面があります。排泄行為は家のトイレではなく、外で行う事が殆どですし外出中に菌を保持している「ネズミや鳥」を食べてしまう事もあります(現在、動物病院に来る猫の7割は外で生活をしている猫・・・というデータがあります)
野良猫から病気を移されるケースも多いです。注意すべきは、野良猫は“猫エイズ”を持っている可能性もあり、この猫エイズのウィルスが引っ掻き傷から「飼い猫に感染してしまう」事です。しかし、室内飼いならば野良猫と喧嘩になる事はありませんし、怪我をするケースも確実に減ります。猫は非常に縄張り意識の強い動物です。室内飼いの猫が外を歩いていると、思わぬ所から攻撃される事もあります(特に発情期のオス猫は攻撃的になりやすい)
室内飼いと放し飼い・・・そのメリットとデメリットについて
しかし、室内飼いのデメリットも勿論あります・・・・・狭い部屋の環境がストレスになる事もありますし、運動不足にもなりがちです。また飼主さんが定期的に爪切りする」必要も出てきます。窓から外を見てぼんやりと過すのが日課の猫もいますが、時には「蝶や鳥」などを目にして外の世界に興味を持つ亊もあります。外出したがる猫をかたくなに室内から出さずにいると、やはりストレスを感じる様になります。この様なストレスの発散には、猫のライフスタイルとも言える“狩り遊び”や、猫にとっての“隠れ場所”の提供がいいでしょう。
さらに注意すべき事柄として・・・・室内飼いの猫の場合は、猫が部屋の電気コードを噛まない様に注意してください(意外に多い!!)コンセントとコードが繫がった状況で噛んでしまうと感電するリスクが生じます。特に子猫にはまだまだ噛み癖のある子が多いです。コードなどの電気系統の物は、なるべく猫の手の届かない場所に配置してください。また室内飼いだから「猫が危険なものは何も食べない」という事もなく・・・・「野菜・花」なども種類によっては「猫にとって危険な食物」が存在します。不用意に人間用の食べ物を置いたまま外出しない様にしてください。
猫に関する「お役立ち情報」まとめました!!
最後に「猫に関する雑学」レベルの事柄を幾つか書いておきます。雑学とはいえ猫の飼育に関しては、何かと「役に立ちそうな話」ですので是非お読みください。
1・・・猫は元々が肉食動物の生き物です! ある統計に依れば、飼い猫の好きな食用肉としては「羊・牛・鶏」の順番に人気があるそうです
2・・・現在は賃貸物件でも、ペットOKの物件が徐々に増えています。ただし現時点では全賃貸物件数の「10分の1」程度がペットOKの物件数であり、その中でも7割は「犬一匹なら可」で、猫が飼える物件は 残り3割 あるかどうかという、猫好きの方には少々シビアなデータが報告されています
3・・・猫舌と言う言葉の意味通り、猫は ”熱い食べ物は苦手な動物”。最適な食物の温度帯としては「熱過ぎず・冷た過ぎず」の人肌に近い温度と言われています。因みに食感としては「トロっとした液体」の様な食感の食べ物を好むそうです。
4・・・動物好きの人って優しそうなイメージがありますよね?ある調査によれば、女性の8割が動物好きの男性の方が動物好きではない男性よりも 魅力を感じる という・・・少々驚きのデータがあります(特に猫好きの男性は好印象みたいですよ)
5・・・猫は人ではなく場所に付く・・・・という物言いもあるほど、猫は自分が生活している場所に執着する生き物です。引越しした場合は、なるべく猫が以前生活していた場所と同じ様な環境で過ごせる様に工夫してください。移動用のキャリーには、普段から使用しているタオルなどを入れると良いでしょう(その事により猫が安心します)
6・・・猫には「自由奔放・勝手気まま」なイメージを持つ人が多いです。ただ、実際には人間に役立つ面をたくさん持っている動物でもあります。長期間に渡って人と接触を持った猫は、人から優しくされた事をしっかりと記憶しており、その後優しくしてくれた人に恩返しをしている ・・・・という調査結果があるそうです。また、飼主さんが発作を起こしかけた時、家族にその事を知らせに来た猫もいたのだとか。他にも猫好きの方には有名な動画ですが、外で犬に襲われそうになった小さな子供を、犬から助けた猫もいますよね。
猫との生活には、確かに大変な面もあります。一方で、猫は人間に様々な事を与えてくれるあるいは教えてくれる存在です。猫は犬と違い、人を人として観ていない・・・特別視せずに対等な関係と捉えている節があります(「猫は人間の事を、大きくなった猫」と認識している・・・という説もあります)
少し視点を変え謙虚に「人間と猫」の関係性を考え直してみると、もっとお互いにとって居心地の良く住みやすい環境を作れるのではないかと思います。