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猫の寿命が飛躍的に伸びる!?

 

今回の「キャットフード安全」では、非常に ポジティブ な話を取り上げます!! 平均で「10歳から15歳」位と言われている“猫の寿命” が、近い将来には二倍近くに延びるかもしれない!!30歳位まで生きる長寿猫が増えてくるかもしれない・・・と愛猫家の間でも話題になっています。因みに、この話題には海外の研究機関による「ウィルスの発見」や日本が誇る「先端医療」が密接に関わっています。

 

成猫の大敵 ”腎不全”・・・その治療法と展望を探る

 

猫の病気として有名なのが「尿路結石です(特にオス猫に多い)。この“泌尿器系の疾患”は、やがて猫の賢機能の低下を招くやっかいな病気です。統計によれば「賢不全」による死因が、何と半分近く(48.7%)になる・・・というショッキングなデータもあります。犬と比較しても、この死亡率は”突出して高い数字”である為、これまでは「猫特有の病気」という見方もありました。しかし、ここにきてこの「猫の賢不全」の謎が解明されつつあります。

 

猫の賢不全の原因とは・・・・?

 

先ごろ香港のある研究機関が発表した説なのですが・・・

 

ネコ・モルヴィリウィルス

 

この「ウィルス」が原因で、猫に腎臓疾患を引き起こしているのではないか・・・? との学説が発表されました。これまでは、加齢に伴う“猫の老化現象の一つ”とも考えられていましたが、この説の登場以降、流れが変りつつあります。現在、日本では京都大学と東京農工大学がタッグを組んで「ネコ・モルヴィリウィルスの研究」が行われていますが、日本の猫の尿検査を行った結果、この「ネコ・モルヴィリウィルス」が発見されました。そして、この「ネコ・モルヴィリウィルス」を持つ猫に 腎臓疾患の猫が多い 事も確認されたそうです。

 

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猫に多い「腎臓疾患」も、この「ネコ・モルヴィリウィルス」に対する抗ウィルス薬やワクチンが開発されれば、今よりもはるかに「猫の寿命を伸ばす事が出来るのではないか」と研究が進められています。期待したいですね!!

 

猫の腎臓疾患の治療・・・もう一つの可能性

 

話はこれで終わりません・・・先に挙げた「ネコ・モルヴィリウィルス」とは別の分野で、 ”猫の腎臓病治療に革命” をもたらすかも知れない「もう一つの研究」が進められています。

 

ここに登場するのが AIM という物質!!

 

人間や動物の「賢不全を防ぐ役割」として血液中に存在するのが、この「AIM」というアミノ酸によるタンパク質であり、生命科学の研究の過程で発見されたそうです。通常では賢機能が低下していくと、尿の通り道に「老廃物が徐々に蓄積」されていきます。しかし尿道に溜まっていく有害な 老廃物を撤去 するのが、この「AIM」という物質なのです。そして、ここから猫に話が移りますが・・・・

 

 

猫の場合、血液中にこの「AIM」という物質が存在するにも関わらず、腎不全の低下に効果がありません。この「AIM」が他のタンパク質と結合してしまう事により、「尿道の老廃物の除去」をしないそうなのです・・・・

 

 

しかし、先ごろの動物実験で遺伝子操作を施した「賢障害を持つネコ型マウス」に、AIMを体外で生成し血液中に投与した結果、賢機能を回復 させる事に成功したそうです!! 実用化にはもう少し時間が掛かるとの事ですが、方法としては「予防注射」の様な感じで定期的に成猫にAIMを注射する事により、賢機能の低下の予防を考えているそうです。

 

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予防薬の開発と企業の挑戦

 

この「AIM」に関する研究は、ある企業との提携による実用化(大量生産化)に向けた準備も進められているとの事です。目標としては

 

5年以内に実用化を実現する!!

 

という話ですが、これが実現化すれば”腎臓機能の低下を予防する薬”として、人間への「腎不全の治療」にも応用出来る薬を作りたいとの事。(現在は猫で新薬の治験を行いつつ、人間への治験も進める予定・・・この薬が実現化すれば人工透析も不要となる) ぜひとも実現して欲しいですね。

 


 

日本が誇る先端医療・・・ペットにもその影響が

 

ここからは違う話題に移りますが・・・2012年に山中伸弥教授がノーベル賞を受賞して以来、世界中から注目を集めた

 

再生医療・細胞治療

 

ご存知の通りこの再生医療(細胞治療)は、世界的に見ても 日本がリードしている分野の1つ ですが、この人間に対する再生医療の研究が、やがては犬や猫などの、ペットにも応用出来る分野として注目されています。再生医療とは従来の「切った・はった」医療とは異なる

 

身体が本来持つ修復機能や治癒力

 

を活用した、近年注目されている“免疫力アップ”にも近い発想の医療方法です。要は人間の体力を回復させて病気を治療すると同時に、病気の予防や発症を遅くする治療法です。少々難しい話になりますが、引き続きお付き合いくださいね。

 

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猫本来の体力に戻し慢性的疾患を克服する

 

細胞治療とは・・・体内に注入された“生理活性物質”が、その周囲の細胞や環境に直接影響を与える事により

 

炎症の抑制・免疫の調整

 

を行い、身体を本来の ”正常かつ健康”な状態に戻そうとする特性を活用した治療法です。これまでは犬を使用した治験により

 

関節炎・骨折・糖尿病

 

に対し、一定の効果をあげたそうです。猫の場合はこの「細胞治療」を、先述した「腎不全に依る泌尿器疾患」の治療の為に、現在研究が進められています(慢性腎臓病は腎組織の“炎症”が原因で発生するケースがある為に、その炎症に対する抑制効果が期待されている)

 

因みにこの「再生医療・細胞医療」も保険の適用まで視野に入れた、ペットの医療プランの創設を進めているそうです。残念ながら新薬や先進医療などは医療保険の対象外となるものが多く、治療費なども非常に高額になりがちです。

 

しかし、経営サイドの「画期的な医療技術を動物に対しても十分に活用してもらう」との思いから、現在ある企業(某フィルム会社と保険会社による合弁会社)が計画を進めているそうです。人間の生命科学の分野での発見や先端治療の研究が、猫の疾病対策に応用され長寿化にも貢献しています。期待したいですね。

 

 

猫田先生
これまでは、猫の老化現象の一つと思われていた”猫の腎不全”ですが、現在その原因が解明されつつあります!
タマちゃん
原因はウィルスだったり体内の物質だったり、色々な説があるんだニャ
猫田先生
これが解明されれば、猫の寿命が今よりもずっと延びるのでは・・・と期待されてるんだよ!! 
タマちゃん
すでに保険の適用まで視野に入れて開発を進めてるなんて凄いね! 早く実現して欲しいニャ

 


 

考えてみませんか 猫と人との暖かい関係

 

 

ここまでは、人間が猫に施してあげる話がメインでしたが、ここからは 猫が人間に与えてくれるプラスの効果 についてお話します。

 

「猫ブーム」と言われて久しい日本ですが、何故にこの様な現象が生じているのか・・・? 昔から大の「猫好き」の方々は、案外このブームを冷めた視線で眺めているかも知れません。「猫の持つ可愛らしさ」こそが、このブームの最大の要因である亊は間違いないでしょう。しかし、それだけではありません。

 

 

猫の持つ不思議な力

 

可愛らしいだけでなく、どこか神秘的とも言える「猫の不思議な力」!! これこそが、過去最高とも言われる「猫ブーム」の要因の一つではないでしょうか。注意深く周囲を見渡して見ると、実に様々な場所に猫が居ます。タバコ屋・美術館・喫茶店・バー・旅館・案内所・居酒屋・・・・などの商業施設。他にも、工場・小学校・相撲部屋・駅・観光船・神社・IT企業のオフィス・・・などなど、私的な場所から公共の施設まで多種多様です。動物関連のバラエティー番組などを観ていると

 

「こんな場所にも猫が居るのか!?」

 

と驚く事もしばしばです。 (歴史的に観た、日本人と猫との関わりについては、猫の生態と歴史 の3章に詳述してあります)

 

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猫が人に与える癒しの効果

 

猫が側にいて “遊んでいる様子”や“のんびりと寝ている姿”を観ているだけでも

 

楽しくなったり、心が癒されたり

 

する方は多い亊でしょう。現在この ”猫の持つ不思議な力” が、各方面から注目されています。最近 猫に触れたり話しかけたりする事により、人間の脳が活性化する・・・という研究データが発表されました。実際に、猫(オスの飼い猫)と人間を使った実験によれば、人が猫と遊んだり触れる際に、人間の脳波を測定した結果、明らかに普段とは異なる脳波を放出している・・・・要は

 

猫と遊んでいる人の脳が活性化

 

している状態が確認されたそうです。さらに興味深いのは、猫が人間の要求を素直に聞き入れている時よりも、猫が人の要求を無視したり、あるいは猫が他の場所に逃げている状態の時の方が 人間の脳が活性化 している・・・という測定結果も出たそうです。要するに猫が飼主の言う事を聞かない時の方が

 

「うむむむむ・・・どうにかして、コイツに言う事をきかせてやるぞー」

 

との思いで、脳が活性化してしまうそうなのですね。(これが犬の場合だとストレスになりそう・・・・)

 

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猫が人や地域に与える力・・・鬱病の改善とストレスの減少

 

猫に触れてみると解りますが、猫の身体というのはとても

 

柔らかくて触り心地が良い

 

ですよね。猫のモフモフとした柔かい身体に触れるだけで、心が落ち着き脳が活性化 されるのではないか・・・・との学説もあります。因みに、猫には機嫌が良い時に喉を「ゴロゴロ」と鳴らす事があります。このネコのゴロゴロ音 にも癒しの効果 があるのではないか・・・と言われています。

 

 

海の動物であるイルカは「クリック音」と呼ばれる、猫の喉を鳴らす「ゴロゴロ音」と良く似た音声を発する事があります。鬱病の患者さんが、イルカに直接触れたりイルカのクリック音を聞く事によって

 

鬱病に改善の傾向がみられた

 

との研究データがあるそうです。恐らくはそのイルカのクリック音と同様の効果が、猫の喉を鳴らす音にもあるのではと推測されます。

 

 

猫好きの方には割と有名なエピソードですが、かつて米国のある研究機関では

 

「猫を飼った経験のある人」と「猫を飼った経験のない人」

 

を対象に調査を行ったところ、「猫を飼った経験のある人」の方が、「猫を飼った経験のない人」よりも、

 

心筋梗塞などの心臓系の疾患で亡くなる確率が40%も低い!!

 

という驚異的なデータが発表されました。これに関しては、はっきりとした理由は未だに解らないのですが、ストレス厳禁の心臓系の疾患を持つ人に、猫の持つ「癒しの力」が、そのストレスの軽減に役立っているのではないのでしょうか。

 

 

最近では

 

●経営が傾きかけていた旅館が、飼い猫のお陰で持ち直した(猫目当てのお客さんが来訪する様になった)

●入門者が少なかった相撲部屋が猫を飼い始めてから、弟子が増えだした・・・・

●客数が激減し経営難に陥りつつあったローカル鉄道が、駅長を猫にした事の経済効果により劇的に復活した・・・・

 

などの話も耳にします。この様な経済的な救世主だけではなく、職場の 人間関係を円滑にする との理由から、猫を飼っている会社もあります。

 

 

しかし、こうした明るい話題だけではなく、いわゆる野良犬・野良猫の殺処分の問題は深刻です。私が住んでいる地域では、10年ほど前から、殺処分ゼロ の目標を掲げ、譲渡会や地域猫の避妊処置などを少しずつ推進しています。この動物との共生を目的とした活動は、日本よりも西洋諸国の方がはるかに進んでいる印象を受けるのですが・・・・(特にイタリア)。このテーマに関しては、また日を改めてきちんと書きたいと考えています。

 

人間と猫との共生が、もっともっと上手く行く様に、皆で一緒に考えてゆきたいですね

 

 

猫田先生
現在、猫が持つ不思議な力 に各方面から注目が集まっています
タマちゃん
ほんと色んな場所に猫がいるんだね~ ビックリだニャ!!
猫田先生
アメリカだと図書館病院にも猫がいたりします。利用する人の間でも”好評”みたいだね!! 
タマちゃん
人を癒すだけじゃなくて、人と人との間の 潤滑剤の様な役割 を果たしているんだよね 猫は役に立つんだニャ
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