猫の餌の与え方|キャットフード安全
こんにちは! 今回のテーマは猫の餌(飼い猫の食生活)について取上げます。食育という言葉もありますが、正しい食事や食生活は「健康な身体」を作る為の基本であり、長生きの前提条件です。愛猫の食事に、欠かせない栄養や食材にもついて解説しています。是非参考にしてください。
目次
猫には禁物の食べ物・・・絶対に与えては駄目な食材とは?
先ずは 猫には絶対に食べさせてはいけない食物 を知っておいてください。因みに、猫と人間とでは「体の構造」がかなり違います。「ネギ・ニラ・玉ねぎ・らっきょう・にんにく」などの「ユリ科」の植物は危険ですから絶対に与えないでください。ユリ科の植物に含まれる「アリルプロピルジスフィド」という名の成分。この成分は猫の血中ヘモグロビンを酸化した後に、赤血球に不溶性変性産物を作り出します。これが赤血球を破壊し、溶血性貧血を招くと同時に、骨髄(血液製造工場の役目がある)の働きも悪化させてしまいます。
要するに「ねこの体調不良」を招く"危険な成分"・・・です
猫と人間とでは、血中ヘモグロビンの分子構造が違う為に、この様な症状を引き起こします。この「アリルプロピルジスフィド」という成分は加熱して調理しても “消滅する事はない” ので、この成分が含まれた“加工食品”を食べさせても危険です。「血色素尿・気力の低下・下痢・ふらつき」などの症状を起こし、これらは自然治癒するケースもありますが、体力が弱い“幼猫や高齢猫”の場合は重度の貧血を起こし、死亡する可能性もあります。繰り返しになりますが「ユリ科」の植物は要注意 です!!
人間にはOK! 猫にはOUT!!・・・まだまだあります禁断の食べ物
また「生のイカ・タコ・卵」を与えない事!アルコールや塩分の強い食物、人間用の「牛乳や薬」なども論外です(特にアルコールは猫の体重1キロ当たり5・6ml飲むと致命的!! アルコール中毒で死を招く危険性があります) 絶対に「猫には与えない」様にしてください。その他では、コーヒーやお茶などに含まれる「カフェイン系の飲料」、そしてチョコレートやココアなどに含まれるカカオ類 ・・・・これららの「食べ物や飲み物」も猫には厳禁です!!チョコレートなどはご家庭のお子様が「誤って飼い猫に与える可能性」が充分にあります!この辺りは、飼主さんの一層の注意と努力が必要な所です。
はじめて猫をお飼いになる時は、ついつい人間と同じ感覚で物事を考えてしまう事があります。しかし「人間にとっては薬」となる食物でも「猫にとっては毒」となる食物が存在する!!・・・・この事だけは常に心に留めて置いてください。
疾病対策を施した高級キャットフード
ここからは「猫にとってOKな食物」について書いていきます。
飼い猫の餌としては”栄養バランスが整った高品質のキャットフード”を与えていれば、一先ずは安心です。しかし、低価格のキャットフードの中には 粗悪な食材 が使用されているフードもあり、飼い猫の「身体や健康面」にとって好ましくありません。やや高めのキャットフードがお勧めです。特にこちらのサイトで取り上げている「カナガン・キャットフード」や「シンプリー・キャットフード」は毛玉排出サポートや下部尿路疾患にも配慮して作られていますので、お勧めです。
“毛玉排出サポート”・・・・何それ?
・・・よく解らない方もいらっしゃいますよね。ご説明しますと
猫はきれい好きな動物で、ひんぱんに自らの体を舐めて清潔にしようとします。しかし、その際に猫は自らの体毛も “一緒に舐め取って” しまいます。体毛は胃の中で消化されずにとどまってしまう事があり、胃の中に残った体毛は「球症(胃腸障害)」の原因になります。その胃腸障害の予防の為にも、食物繊維を豊富に含んだキャットフード(毛玉排出サポート作用)を与える必要があります。
下部尿路疾患とは、「血尿・膀胱炎・尿毒症・尿結石”」などを伴う病気で、これらは「リン・カリウム・マグネシウム」など、ミネラルバランスの不足が原因で発症します。そこに配慮したキャットフードを与える事で、飼い猫の「疾病対策と健康の維持」が可能です。また、ドライフードばかり与えていては猫も飽きるので、時々 “ウエット・フード”も与えましょう、猫ちゃんも喜びますよ 。この様に、猫のエサには色々と配慮が必要ですが、不用意に「人間の食事」を与えなければ大丈夫です。もし与える場合には、事前にインターネットなどで調べて、少量を与える様にしください。
多頭飼いで注意すべき亊・・・猫それぞれの事情
ここからは「猫の食事と体調管理」のお話です。「多頭飼い」という言葉もありますが、猫を何匹かお飼いになっているご家庭も多いですよね。そして「年齢・体力・体格」が違う猫が複数いる場合は、それぞれの猫に相応しい餌を用意しなくてはなりません。これは二匹の雄ネコをお飼いになっている家庭でのケースですが・・・・
アメリカンショートヘアの4歳になる雄ネコで、二匹とも食欲は旺盛との事。基本的には缶詰(通称ネコ缶)を毎日与えているそうですが、それ以外では時々「お刺身」を与えているそうです・・・・で、これが 飼い主さんなりの知恵 なのですね。
魚に反応する猫は多いです。この2匹のオス猫が「お刺身や焼き魚」の匂いに「激しく反応」する場合は、猫の体調が良い証拠!!逆にあまり匂いに反応しなくなった場合は「体調が悪い」のかと判断し、猫ちゃんの身体や環境を気づかう様にしているそうです。いわば ”健康のバロメータ” なのです。
年齢や体格の違う猫がいる場合は要注意
「多頭飼い」で注意すべき点として、年齢や体力が著しく違う猫がいる場合は”何種類かの「キャットフード」”を用意する必要があります。通常は
子猫には「高カロリー」のキャットフード
シニア猫には「低カロリー」のキャットフード
を与えています。その際に「間違って反対のキャットフード」を猫に与えない様にしてください。数回程度なら問題ありませんが、高齢の猫が子猫用の「高カロリー」のキャットフードを食べ続けていると、病気がちになったり「下痢や嘔吐」の原因にもなります。間違えて反対のキャットフードを与えない為には、猫どうしを 離れた場所で餌を食べさせる 様にすると良いでしょう。そして猫が食べ終わるまで、飼主さんがしっかりと見届けてください。
因みに・・・子猫の方が食べるスピードが遅く、成猫の方は自分の分の餌を食べ終えると、ゆっくりと子猫に近づきエサの臭いを嗅ぐ振りをしながら「子猫の分の餌を食べようとする」亊があります。それを防ぐ意味でも、飼主さんが監視する必要があります。
この場合一番の問題点は、子猫は必要カロリーを摂取出来ず栄養不足の状態になり、成猫の方はカロリーの摂取量をオーバーしているので、肥満になる恐れがあるという事です。飼主さんがしっかりと監視してください。ただ大声で引き留めてしまうと、子猫が驚いてその場を離れてしまい、成猫がこれまたドサクサに紛れて餌を横取りしてしまう事もあります。あまり大きな音を立てずに成猫を引き止めてくださいね。
飼い猫の餌の量と与え方
最後に餌の量と与え方ですが、1日に2回 に分けて与える事をお勧めします。「食事の回数として少ないのでは・・・?」と思うかも知れませんが、猫の場合一回の食事で全てを食べ切るという事はありません。
一個の餌を少しずつ何回かに分けて食べる ・・・という習性が猫にはありますので、一日の餌の量さえ間違えていなければ大丈夫です。また、こちらのホーム・ページでも紹介していますが、最近では実に多種多様なキャットフードが販売されています。年齢別のフード、ドライフードとウエットフード、猫に多い病気の予防まで考慮して作られた栄養価の高いフード ・・・・などなど。
飼い猫の「体型・食の好み・飼育方」まで、様々な面を考慮してキャットフードを選んでくださいね。
高齢猫の食生活 注意すべきは食事の栄養価
ここからは、“シニア”世代の猫の餌”について。高齢の猫の食事にはますます “栄養管理” が大切です。若かった頃は、何でもない高さから飛び降りて平気だった飼い猫も、高齢になると思わぬ怪我に繋がる事があります。
"手作りの食事" による思わぬ効果も
少し手間は掛りますが「手作りのご飯」は、飼い猫にとってやはり最高の餌のひとつ!!。高齢の猫は日々体調が変化します。その日の運動量や体調に合わせて、飼い主さんがアレンジ出来る “手作りご飯” が身体に良いのは間違いありません。柔らかいお粥の上に、温めて細かくほぐしたツナ缶を乗せてあげるだけで、立派な“おやつ”です。
また、湯掻いた”鶏肉のササミ”を細かく手で引きちぎり、カボチャやニンジン・ペーストと混ぜたスープにして食べさせるのも良いでしょう。寒い季節でも”血行が良くなりますので”、猫の体も温まります。高齢になると水分をあまり摂取しなくなる猫もいますので、水分補給の為にもお粥をさらにドロドロにして、この様なスープ状の物と混ぜて食べさせるのもありです。
猫の食欲は健康のバロメータ
猫が発情期の時は、猫の性欲の衝動が止まらずその反動として「食欲が減退する事」もあります。メスなら妊娠中に食欲が落ちる事もありますが、これは正常な現象ですので心配いりません。また、病気で何か薬を飲んだ場合や病気の治療後に、一時的に食欲が落ちる事もあります。しかし、これは時間が経つ事により徐々に回復します。
猫は何かと“食の拘り”があり、ちょっとした変化で餌を食べなくなる事もあります。飼い猫が餌を食べない原因を調べて、対策を取る様にしてください。目安として飼い猫が 24時間何も食べない場合 は直ぐに病院に連れて行って下さい。病気になっているケースも考えられます。
猫の好き嫌いは動作で解る 飼い猫の仕草に要注意!!
猫が臭いを嗅いで、唇をなめて顔をグルーミングする場合は、餌を気に入った証拠です。猫が鼻をなめる時は、餌を気に入らない時です。この様な猫の仕草で、飼い猫が餌を気に入っているか、否かを判断できます。因みに、猫という動物は全般的に “新しいものを避ける傾向” があり、一度食べて「マズイ!!」・・・・と感じた食べ物は二度と口にしない事があります。生まれて数ヵ月間、同じ餌だけを食べ続けていた猫などは食の好みが限定されてしまい、数種類の餌しか食べない・・・・といったケースもあります。
その様な環境で育ってきた猫は、成長後も食の好みが偏ってしまい 新しい食べ物を受け付けなくなる 事が有ります。対策としては、子猫の時期に出来るだけ色々な種類の餌を食べさせて、豊富な経験をさせる事が大切です。できれば「猫の餌」は二種類以上は用意して、食べさせる様にして下さい。この場合、敢えてフードの「食感が似てないもの」を二種類選ぶ様にしてください。
※ (飼い猫の食生活に関しては、使用する食器や猫の生活習慣も関係してきます。この辺りの事は 今更ですが・・・猫の育て方について パート1 で解説しておりますのでご参照下さい)